Jack and Jill 2
To fetch a pail of water.
Jack fell down and broke his crown,
And Jill came tumbling after
ただ広い、広い、神殿の内部。
祭壇ヘ向かってまっすぐに伸びる赤いカーペット。そして、移動旋律の出現位置を示す聖なる記号。
そしておそらく、伝説の剣マスターソードが封印されている空間を、封じる壁。
その他は何もない、ただ広くて天井の高い神殿だった。
何も供えられていない祭壇。
その前に立つのはひとりの女性。私が焦がれて止まない、輝かんばかりの金髪を持つ女性だった。
きらびやかな金糸は天窓から差し込む光を浴びて、きらきらと無数に反射している。高貴な服装。それだけではない、彼女が纏うオーラが濃厚で、一目で彼女が誰だか分かる。後ろ姿だということは、彼女と判断しない理由にはならない。ステンドグラスを通った七色の光を受け、まるで彼女自身が女神のように煌めいている。
「どなたですか……ここは、関係者以外立ち入り禁止ですよ」
神聖故だろう。澄み切っていてほとんど音のないこの空間に、高いソプラノのうつくしい声が響いた。
その女性は振り返る。
――そして、私を見た。